函館野外劇

函館野外劇
函館野外劇

今夜は五稜郭公園で行われている市民創作函館野外劇を初めて観劇した。今年で第三十回目の開催で市民には夏の恒例イベントとして親しまれているだけでなく、全国的に認知度も高い。また、1991年に国土庁全国地域づくり表彰・国土庁長官賞、1993年にサントリー財団・地域文化大賞、1997年に読売新聞社・’97北のくらし大賞、2006年に国土交通省・手作り郷土賞、2010年にJTB交流文化賞選考委員特別賞、2012年に地域文化選奨特別賞(北海道)、2013年に北のまちづくり賞(北海道)という受賞歴がある。

そもそも函館野外劇の発端は1961年に函館元町カトリック教会主任司祭に就任した函館と縁の深いフランス人のフィリップ・グロード神父(1927〜)の構想に始まっている。神父の故郷フランスのル・ディフ地方で古城と前庭でボランティアが中心になって野外劇が行われ、多数の観光客が訪れて観劇していて地域おこしに貢献しているという。そのことから「五稜郭という素晴らしいロケーションを生かして函館のユニークで豊富な歴史的事実を野外劇として活用すべきだ。野外劇を函館でもぜひやってみたい。」という神父の言葉がきっかけで有志の市民が中心になって手探りしながら始まったという。

今年は「星の城、明日に輝け」という題目で五稜郭を舞台にした函館の歴史物語である。函館山の噴火のシーンから始まり、北海道先住民として平和に暮らしていたアイヌの様子とアイヌと和人の抗争があったこと、松前藩による隠れキリシタン106人の処刑があったこと、高田屋嘉兵衛のこと、黒船来航と開港後の外国の箱館進出のこと、五稜郭築城のこと、箱館戦争のこと、北海道経済の拠点となったこと、明治、昭和の大火被害のこと、大火で落ち込んだ市民が立ち直るために開催されたみなと祭りのこと、第二次世界大戦時の函館空襲のこと、そして函館の現在から未来へ向けて希望を謳うフィナーレで終わった。函館の通史を壮大な物語にして市民が力を合わせて創り上げた素晴らしい野外劇だった。

2件のコメント

  1. 今晩は。函館野外劇の季節になりました。三十年の歴史を刻んだんですね。公園を散歩していると野外劇の開催に対して、五稜郭戦争の攻防に備える為に組んだであろう櫓を組んだり、開臨丸をはじめとする当時の幕府の軍艦を模した船を堀に浮かべて不具合が無い事を確認したり様々な準備をしてるを見て、「函館港祭り」と共に野外劇は函館に「夏」が来たなと感じられるイベントです。以前は「堀」を舞台に劇が行われてましたが、堀の石垣の痛みが激しく石垣保護と修復のために現在場所で開催するようになりました。石垣の補修を終えて従前のお堀の上での野外劇になったら又違った景色になると思います。函館の歴史を伝える残しておきたい行事のひとつです。裕士 
     

    1. 確かにお堀の上で野外劇をやったら迫力も違うでしょうね。
      初めて観ましたが、とにかく市民ボランティアでやっていることが素晴らしいです。

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