川原緑道

「函館むかし百話」
「函館むかし百話」

友人から譲っていただいた「函館むかし百話」の中にある未完成に終わった旧戸井線の話を読んだ。1924年(大正13)に津軽海峡防備のため当時の戸井村汐首岬に津軽要塞基地建設と要塞建設のために物資輸送を担う軍事鉄道敷設の計画があった。計画路線は函館本線五稜郭駅から五稜郭公園裏、湯の川を経由して海岸線を通り、戸井要塞までの全29.5㎞である。しかし太平洋戦争の戦局が悪化し、物資調達が困難になり完成間近の1943年(昭和18)に線路の敷設前に工事は中止となった。今は戸井汐首岬付近にコンクリート製のアーチ橋が遺っていて当時の計画を偲ばせている。

その旧戸井線の計画路線の一部で今は川原緑道と呼ばれている遊歩道を歩いてみた。

本通町3丁目交差点から川原緑道へ入る
本通町3丁目交差点から川原緑道へ入る
初めて歩く川原緑道は、とても緑豊かで快適な遊歩道だった
初めて歩く川原緑道は、とても緑豊かで快適な遊歩道だった
しばらく歩くと柏が丘通に出る。そして通り沿いに進む。
しばらく歩くと柏が丘通に出る。そして通り沿いに進む。
柏が丘通と日吉が丘通の交差点に再び川原緑道入口がある。
柏が丘通と日吉が丘通の交差点から再び川原緑道に入る。
歩道と自転車道と車道が分離されていてだれでも快適に利用できる遊歩道である。
歩道と自転車道と車道が分離されていてだれでも快適に利用できる遊歩道である。
脇道には鮮やかなチューリップが咲いていた。
脇道には鮮やかなチューリップが咲いていた。
途中に鮫川が流れる。
途中に鮫川が川原緑道の下を流れる。
歩き進むと学園通に一旦出て、再び川原緑道に入る。ナナカマドの花が美しい。
歩き進むと学園通に一旦出て、再び川原緑道に入る。ナナカマドの花が美しい。       しばらく歩くと、湯の沢川手前に旧戸井線を跨ぐコンクリート製のアーチ橋があった。歴史を感じさせる重厚なアーチ橋である。しばらく歩くと、湯の沢川手前に川原緑道を跨ぐコンクリート製のアーチ橋があった。歴史を感じさせる重厚なアーチ橋である。
中央のメインアーチには鉄製の補強が施されている。
中央のメインアーチには鉄製の補強が施されている。
アーチ橋のコンクリート製手摺りも味わいのある意匠である。
アーチ橋のコンクリート製手摺りも味わいのある意匠である。
湯の沢川に架かる橋は吊り構造が併用されて、補強工事かもしれない。
湯の沢川に架かる橋は吊り構造が併用されて、補強工事かもしれない。
歩き進むと野鳥の鳴き声が聞こえ、見あげるとシジュウカラが木枝に佇んでいた。
歩き進むと野鳥の鳴き声が聞こえ、見あげるとシジュウカラが木枝に佇んでいた。
川原緑道にはこのような休憩空間が点在していてありがたい。
川原緑道にはこのような休憩空間が点在していてありがたい。
川原緑道はトラピスティヌ通に出るところで終わる。
川原緑道はトラピスティヌ通に出るところで終わる。

今日はとても良い天気、住宅地を縫うように歩く川原緑道はとても気持ちの良い遊歩道だった。そして起伏のある地形のため直交する道路や河川に様々な橋が架かっていて変化に富んだ風景だった。おそらく当時の造成工事も大変だったのではないだろうか。もし旧戸井線の線路が敷設されていたら全く違った風景になっていただろうと思い描きながら川原緑道を歩いた。

 

2件のコメント

  1. 沖崎さん、ご無沙汰しております。私も実家が本通のこの川原緑道のすぐそばなので、昨年実家に帰省した時に、徒歩で終点のトラピストまで歩きました。ここ、素敵ですよね。

    1. 荒谷さん、ご無沙汰しています。
      僕も川原緑道が大好きになりました。
      函館は有数の観光地で見どころの多い街ですが、ここは生活に密着した市民のための癒しの空間だと思います。

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