函館からいさりび鉄道で２０分程の上磯駅を降りる。駅から南に向かうと函館湾と遠くに函館山が見える。ブリッジ状のものは、浜辺から離れて停泊するセメントの運搬船のための桟橋で海上へ約２kmも延びている。
上磯駅からさらに２０分程で渡島当別駅に着く。駅から歩いて１５分程でトラピスト修道院の広大な敷地が眼に広がり、杉木立の透視図法的な効果が正面の修道院へ自然と眼を誘う。
気温５〜６度の寒さと修道院の禁欲的な佇まいが身を引き締めてくれる。１１月に入ったばかりだがだいぶ紅葉していて建物を美しく彩っている。
門扉から覗くと修道士の方が庭の樹木を剪定していらっしゃった。修道院での生活の糧は基本的に農耕と牧畜酪農で、売店ではクッキー、ジャム、バターなどを販売している。修道生活の基本は祈り、労働、読書（聖書を読むこと）だという。この修道院へ入会する条件は男性であること、カトリック教会の洗礼を受けること、指導司祭の紹介があることなどらしい。
紅葉した修道院の敷地からは函館湾が望める。白い船が気持ち良さそうに函館湾を走る。これから陽が落ちて黄昏てくる景色をカメラにおさめたかったけれど、だいぶ寒くなり空模様が怪しくなったので修道院を後にし駅に向かった。