ローマ法王訪日

日本がローマ法王庁に来年夏にローマ法王の訪日を要請しているという報道があった。1981年にも当時のローマ法王ヨハネ・パウロ二世が広島・長崎を訪問しているが、もし来年夏に現ローマ法王の訪問が実現すれば核廃絶、世界平和のメッセージを混迷深める世界に発信できるだろう。

特に長崎とローマ法王の関係は深いものがある。1981年2月25日、ヨハネ・パウロ二世ローマ法王が浦上天主堂を訪れて法王の司式によって聖職者を任命する叙階式が行われ、「長崎の信徒たちが200年以上も一人の神父もなく、天主堂もなく、公の礼拝もないという不利な条件にもかかわらず、あらゆる迫害に耐えて信仰を守りつづけたこと、私は深い感動をもって、その昔、大浦天主堂で、長崎に着いた宣教師と浦上信徒等との出会いを思い出します。」と述べたという。

私はクリスチャンではないがキリスト教については原罪、贖罪、受難、復活、アガペー、等々を言葉としてだけは知っているくらいだが、キリスト教の布教のすごさについては驚嘆する。つまり隠れ切支丹迫害のことを思うと世界への伝播力に驚くと同時にその犠牲についても嘆ずる思いもある。当時の隠れ切支丹は信仰上の難民であったのだろうと想像する。そして映画「沈黙」のスコセッシ監督の言葉を再び思う。いま世界が自国保護により難民を排他する流れにあるなか、まだまだ増え続ける希望なき難民についてもローマ法王だけではなく、政治家、宗教者、哲学者、文学者そして私たちがなにができるのかが問われているのだと思う。

 

 

 

 

 

2件のコメント

  1. 函館の近く渡島半島の大千軒岳に隠れキリシタンの殉教地があることは有名である。
    1639年に松前藩は幕命により106名の信者を処刑しました。
    後に十字架を建て毎年7月下旬の日曜日に巡礼ミサが行われているそうです。
    一度は行ってみたいと思っていますが、この年になるまで実行していません。
    自分の意志の弱さを痛感しています。

    1. 上磯にもハリストス正教会があってそこの墓地に隠れ切支丹の民が永眠しているようです。
      私も自分の無力を恥じる思いです。

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