石内都の「ひろしま」

太平洋戦争末期の1945年8月6日午前8時15分、広島に原子爆弾が投下され、今日がちょうど73年目になる。

原子爆弾投下による死亡した人の数は今も正確に把握されていない。だが放射線によって受ける急性障害が収束する1945年12月末には推計約14万人が亡くなっている。そして今もその後遺症に苦しんでいらっしゃる人も多く、放射能が引き起こす後遺症については未だに充分に解明されていないという。

写真集「ひろしま」
写真集「ひろしま」

10年前にNHKの日曜美術館で〜シリーズ・創作の現場ドキュメント(1)写真家・石内都「ひろしま」との対話〜を観たことをいま思い出す。私はそれまで写真家・石内都(1947.3.27~)について殆ど知らなかったが、この番組を観て石内都の創作に強い印象をもった。

広島の悲惨な事態について本、絵、映画、写真、ジャーナリズムなどなど様々なジャンルで表現されているが、原子爆弾で亡くなった人が纏っていた焼け爛れた無言の洋服を、ただただバックライトで照射して写し撮っただけの表現に私は衝撃を受けた。

また、私は見逃してしまったが6年前に渋谷にある小さなイヴェント・スペースUPLINKで「ひろしま 石内都・遺されたものたち」(監督:リンダ・ホーグランド)が放映されている。

戦後73年経ち戦争の悲惨さをこれからも語り継ぐことが大切であり、石内都の「ひろしま」という写真集も語り継ぎのひとつの方法だと思いここに書いてみた。

 

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