谷地頭町と青柳町

少し曇りがちの今日、谷地頭町と青柳町を歩いた。この辺りはとても静かでゆったりとした時間を過ごすことができた。

碧血碑
碧血碑

函館八幡宮の裏手にこの碧血碑がある。1869年、箱館戦争が終わり敗れて命を落とした旧幕府脱走軍の遺体は市中に放置されたままだったという。五稜郭築造営で労働者の供給で貢献した柳川熊吉は実行寺の僧と遺体を集めて実行寺に葬った。柳川熊吉はこの場所を購入して遺体を改葬、1875年にこの碑を建てた。ここには土方歳三、中島三郎助父子、そして北関東以北各地の旧幕府脱走軍戦死者の霊を弔っている。碧血は中国の故事「義に殉じて流した武人の血は3年経つと碧色になる」によっている。

二人静に添う蝶
二人静に添う蝶

碧血碑近くの野道に二人静が綺麗に咲いていた。そして白い蝶が擬態のような素振りをしてじっと二人静の葉に止まっていた。

ウグイス
ウグイス

二人静が咲くすぐ傍で鳥のさえずりがして、ふと見るとウグイスが枝へ枝へと飛び渡っていた。一本の枝に止まってじっとどこかを見つめているその一瞬を撮ることができた。

碧血碑から立待岬へ向かう道路脇には色々な花が咲いていた。

トリアシショウマ
トリアシショウマ
ツルアジサイ
ツルアジサイ
アマニュウ
アマニュウ
フランスギク
フランスギク

タンポポモドキ
タンポポモドキ

初夏にもなれば立待岬はタンポポモドキで咲き誇る。今日はまだ早いのか僅かだった。

ハマナス
ハマナス

立待岬といえばハマナス、曇りがちの空のほうがハマナスの鮮やかさが引き立つように感じた。

 

与謝野寛・晶子の歌碑
与謝野寛・晶子の歌碑

立待岬に与謝野寛(鉄幹)と晶子の歌碑がある。

〜濱菊を郁雨が引きて根に添ふる 立待岬の岩かげの土〜 寛

〜啄木の草稿岡田先生の顔も忘れじ はこだてのこと〜 晶子

啄木一族の墓
啄木一族の墓

立待岬を下っていくと石川啄木一家が眠る墓があって啄木の歌が刻銘されている。 〜東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる〜

住吉漁港
住吉漁港

函館にはいくつかの漁港があって住吉漁港はそのひとつ。小さな漁港であるがそのスケール感が心を和ませてくれる。

住吉漁港
住吉漁港の灯台

住吉漁港から津軽海峡へ漁に出る船の安全を守る灯台が函館山の緑に映える。

青柳町
青柳町

坂を登って青柳町の電停を過ぎると谷地頭町の電停に着く。静かな山の麓をゆったり歩いた今日、いろいろ豊かな街の表情を感じ取ることができた一日だった。

函館の青柳町こそかなしけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花                        啄木

 

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