谷村志穂 自著を読む

谷村志穂 自署を読む
谷村志穂 自著を読む

今日は函館市文学館で行われた「谷村志穂 自著を読む」という朗読会に行った。谷村志穂がセリフ以外の地の文を担当し、セリフを谷村志穂の娘などスタッフが担当、ストーリーの中にヴァイオリンの生演奏を効果的に取り入れた面白い企画だった。

毎年この企画が函館市文学館で行われていて今年で4回目とのこと、取り上げた小説は谷村志穂・著「少年の憂鬱うつ 少女の微熱」中の「サボテンの宿」という短編だった。谷村志穂の実体験から発想した函館のある宿での父と母と娘の物語である。

私が読んだ谷村志穂の小説は函館とその周辺を舞台にした「黒髪」と「海猫」の二作。谷村志穂の父親は北海道勇払郡追分町(現在:安平町)出身、母親は函館市出身、本人は札幌市出身ということで北海道を舞台にした小説が多い。

特に函館に対する愛着がつよいという。人は悩み苦しみながら生きていくことのほうが圧倒的に多い、函館は悩み苦しむ人をいいんだよ、そのままでいいんだよと優しく抱擁してくれる街だと思うんです、と朗読会後のトークで話していた。

この言葉で谷村志穂の小説に漂う空気感が理解できるような気がした。

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