今日、退院した。暖かい病室を出ると外は所々にうっすらと雪が残っていて、鈍った身体に乾いた寒風がスーっと感じられた。１０日間の入院から解放されて久しぶりに函館の街を歩いたら、ふっと以前から行ってみたかったところへ足を向けたくなった。
この店はニチロビルディングという建物の一階にある。ニチロは１９０７年に創業したサケ・マス漁業の日魯漁業が前身。いわゆる北洋漁業が盛んだった頃、函館ドックとともに活況を呈し、この会社に務める社員のところへ自分の娘を嫁がせるのがステイタスだったという逸話もあるほどだった。
インテリアを見れば昭和初期に建てられた状態をそのまま活かしていてなかなか落ち着いた風情がある。小ぶりのテーブルがたくさんあって、一人でも臆することなく入れる。メニューもたくさんあるし、料理も品があってとても美味しい。長時間パソコンをいじっている若い女性がいるし、ゆったり新聞を読んでいる年配の男性もいる。これから本でも持ってまた行くことにしよう。