棒二森屋

函館の老舗デパートだった棒二森屋が今日で閉店になった。人口減少という社会現象によって地方都市のデパートが経営不振による閉店に追い込まれていて、棒二森屋も今日の閉店となった。

今から150年前の1869年(明2)に初代渡辺熊四郎が大町に開業した「金森・森屋洋物店」と1889年(明22)に荻野儀平が弁天町に開業した「棒二・荻野呉服店」が合併してできた百貨店が棒二森屋である。合併前は西部地区でそれぞれライバル関係にあった店だったが、1934年(昭9)の函館大火で街の復興により賑わいの中心は駅前に移っていった。そんな状況からライバル同士だったふたつの店は合併を決断する。そして1934年(昭12年)に駅前にある現在の場所に5階建ての豪華な「棒二森屋百貨店}を開業し、連日満員の大賑わいの繁盛だったという。以来、「棒二さん」という愛称で市民に親しまれ、文化面でも展覧会を開催したり、昔は映画館もあったりと函館駅前の顔であり続けたデパートだった。

 

現在の棒二森屋
現在の棒二森屋
開業当時の棒二森屋
1934年開業当時の棒二森屋
旧館のロゴレリーフが残っている
旧館のロゴレリーフが残っている
旧館のロゴレリーフが残っている
同上
スズラン階段のバルコニーと外壁にスズランをデザインしたモザイクタイル
スズラン階段のバルコニーと外壁にスズランをデザインしたモザイクタイルは当時のまま
入口左右に立つ熊の象
正面エントランス左右に立つ熊の像(1966年・根本土龍作)・創業時の渡辺熊四郎の名前に因んで熊の像としたという

 

その後、経営が不振で別の事業者になり閉店となった。閉店後はどのように再開発されるか色々な案が提示されているがまだはっきりとした計画が決まっていないようである。さて、函館駅前の顔だった「棒二さん」に代わる施設がどのように変貌するのだろうか。

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