函館の消火栓

街路樹、公園、歩道、点字ブロック、縁石、電柱、案内看板、商業看板、信号、路面電車と停留所、バスと停留所など街には様々な都市施設や交通機関が共存していて函館の景観に大きく関わっている。そして函館の街を歩いてみると黄色い消火栓が多く点在していて消火栓も都市施設のひとつだということに気付く。

函館の消火栓
函館の消火栓

函館は明治、大正、昭和の時代に大火による焼失戸数が100戸以上が10数回、2000戸以上が6回にも上る。その被害からの復興により耐火建築物が多く建てられるようになると共に、1935年には防火用の水道設備が整備され、1937年から外国の消火栓を参考にした消火栓が各所に多く設置されるようになる。その当時は国内でも参考になる防火水道整備事業がなくアメリカに担当者を派遣したり、消火栓のカタログをヨーロッパから取り寄せたりして今の函館型三方式地上式の鋳鉄製消火栓になったという。放水は本体内径150mmに内径125mmの放水口が二つと内径65mmの放水口が一つで大量の放水が可能となっている。基本的に黄色であるが最近は塗り替えで他の色もあるらしい。

今日の散歩でざっと数えてみた。松風町交差点から駅前交差点までの約400メートルの直線道路で交互に5カ所も設置されていた。他の場所でも多くの消火栓をみることができる。大袈裟かもしれないが、やや懐古的デザインのこの消火栓も函館らしい景観を形成している都市施設といえるかもしれないと思いながら散歩をした。

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