今日は春分の日、お墓参りのあと入舟町と船見町周辺を散歩した。
現在、穴澗海岸は遊泳禁止になっているが昔は夏のシーズンになると水着姿の人々で一杯になる。この岩場の裏側にいまにも千切れそうな細い吊り橋があってそろりそろりと渡って遊んだ記憶がある。人気のない今の穴澗海岸は険しく荒々しい岩肌をあらわに無言で佇む。
静かな穴澗海岸でたったひとり青年が海に向かってギターを弾いて唄っていた。
去年も同じ時期に同じ船見町から駒ヶ岳を撮影した。今日も美しい姿をみせてくれた。
船見町からみる横津岳はまだ残雪の姿をみせていた。亀田半島の山並みは四季それぞれの美しい景観を函館に住む私たちにプレゼントしてくれる。
船見町にあるいつも立ち寄る店モーリエで看板メニューのピロシキを愉しんだ。大阪から旅行にいらした若い方から同じブランドのカメラをお互いに持っていたことがきっかけで声を掛けていただき、しばし楽しい会話ができた。夕陽が見える時間のこの店は、見知らぬ客同士が気軽に話ができる雰囲気をもっている。
モーリエから見る函館湾の夕陽はただただ見つめるだけで贅沢な気分にさせてくれる。
久しぶりに歩く入舟町と船見町は静かで時間がゆったりと過ぎ行き、気持ちのいい春分の日であった。