My Funny Valentine

今日は聖ヴァレンタイン・ディ。これは諸説いろいろあって定かではないが、ローマ帝国時代の皇帝クラウディウスⅡ世が兵士の士気が下がると兵士の結婚を禁止するなか、キリスト教司祭の聖ヴァレンティヌスは皇帝の命令に隠れて兵士たちのために結婚式を行っていた。そのことが皇帝の知るところとなり、聖ヴァレンティヌスに結婚式を行わないよう命令するも聖ヴァレンティヌスは命令を無視し続けた。そこで皇帝は聖ヴァレンティヌスを処刑する。その処刑をしたのが2月14日ということになっている、というのが一般的だという。

世界各地でこの日を相愛する男女のための日、聖ヴァレンタイン・ディとして男性も女性もお互いに花やお菓子などの贈り物をすることをしているようである。日本では1970年代後半からチョコレート販売業者の宣伝もあって女性から男性にチョコレートを親愛の気持ちでプレゼントする慣習が今に至っている。

My Funny Valentine
My Funny Valentine

これはマイルス・デイヴィス率いるクィンテット演奏による「My Funny Valentine Miles Davis  In Concert」、たしか5年くらい前になけなしのお金で手に入れたCDである。1964年2月12日ニューヨーク・リンカーンセンターのハーモニックホールでライヴレコーディングされたこのCDは「My Funny Valentine」,「All Of You」,「Stella By Starlight」、「All Blues」、「I Thought About You」の5曲がおさめられている。

余談だが「My Funny Valentine」は多くのヴォーカリストによって唄われているが、作詞ロレンツ・ハート(Lorenz Hart)、作曲リチャード・ロジャース( Richard Rodgers)による1937年にできた作品でジャズというよりポピュラーな曲であった。主人公の女性がヴァレンタインという男性へ捧げる比較的明るい作詞のラヴソングで物悲しい曲調とのギャップが面白い。その意味からもエラ・フィッツジェラルドのヴォーカルが私にはしっくりきて好きである。

さてこのCDはマイルス・デイヴィス(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(d)という選りすぐりのプレイヤーが洗練されたアレンジで聴かせてくれる。ミュートを装着したトランペットのやるせないセンチメント、テナーサックスの柔和な説得力、ピアノがイントロから引き込む甘い旋律、全ての楽器から頼られるように刻むドラムスの鼓動、全体を包んで広く厚みのある音を響かせるベース、このCDはジャズに馴染みのない人にもジャズという魅力的な世界に誘う一枚であることは確かだと思う。

 

2件のコメント

  1. ヴァレンタイン・ディの発祥の経緯わかりました。何となく当初の習慣から少しずつズレて来てる側面もあるのでは?と思えたりしてます。チョコレート業者の戦略も当時の世相を適格に把握し、市場を拡大し成功してますね。義理チョコ、本命チョコ、自分用チョコetc色々有ります。義理チョコも職場の雰囲気を円滑にするのに必要なのでしょうね・・・毎日の生活の中の一つのイベントとして2月14日にチョコを贈る事が入ったとも感じてます。
    ジャズ、いいですね。ボーとしてる時、なにげなく音が聞こえてきてただ時間が過ぎて、気がついたら寝てました・・・という時など幸せ感じました。ブルーノートのレーベルやFMラジオで聞いたり・・・久しぶりに聞いてみようと思いました。マイルスもいいけど、コルトレーンのマイ・フェバリット・シングスもいいですよ。映画「サンウンド・オブ・ミュウジック」の挿入歌です。何となくウキウキするのは、私だけでしょうか。映画も最近見てません。今のCGを駆使した映画は好きになれません。古い人間です。昔の「名画座」「新映」その他映画館が多くあり、映画が娯楽の中心だった時代の映画は今なつかしの映画のテレビでみるとホットしたりなつかしかったり・・・又とりとめのないコメントかきました。次回も楽しみにしてます。裕士

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